浅野レーシングサービス

TOYOTA GR86(ZN8)

スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第4戦 オートポリス 5時間耐久レース

◾️開催地:スポーツランドSUGO(大分県)

◾️開催日:2022/7/30-31

7/30予選:3位
Aドライバー浅野武夫:2分19秒294 / Bドライバー 藤原大暉2分14秒935 
【フリー走行・予選】
2022年シーズンの折り返しとなる第4戦オートポリスRdは7月末に九州、オートポリスで開催された。2週間のインターバルでチームは前戦SUGOでWedsSport GR86のトラブルの原因となった電気系・燃料系の修繕と対策を行い、また速さの獲得を目指して異なるセットアップのLSDを用意しサーキット入りした。
前戦と同様にレースウイークの天候が不安視される中、チームは木曜日の走行からマシンセットアップを確認、またCドライバー石森のコース習熟に務めた。金曜日の占有走行では浅野を中心に、LSDとリアサスペンションを中心に様々なセットアップを試し、チームはタイヤライフと路面コンディションを考慮しながら決勝を想定したマシンを仕上げていった。
翌土曜日は予想通り不安定な天候となった。Aドライバー予選は時折雨の降る中、気温25℃、路面温度29℃コンディションの中で始まった。浅野はウエットタイヤでコースインしたものの、路面状況を確認するとそのままピットイン、ドライタイヤへ履き替えアタックを開始した。
しかし、「エンジンパワーがでていない」とチームに無線が入る。トラブルの原因がはっきりしない中、チームは残り時間を考慮してタイヤを温める事を優先、浅野はそのままアタックを続けたが、パワーロスの影響は大きく、2分19秒294でAドライバー予選は4番手となった。迎えたBドライバー予選の路面コンディションは微妙な状況だったが、藤原はウエットタイヤで計測1周目からアタックを開始、2分14秒935をマークし86号車の2分13秒875に次ぐ2番手を獲得する。
藤原はそのままアタックを続けるが路面コンディションは好転せず、884号車の2分15秒146を抑えてBドライバー予選2番手を獲得した。AB合算の予選グリッドは4番手となったものの、Cドライバー石森と今回Dドライバーを務める勝木のウエットコンディションでの安定した走りや、WedsSport GR86のマシンセットアップに進化を感じたチームは、不安定な天候が予想される決勝レースに自信を深めつつ、パワーダウン原因の確認と定期メンテナンスを実施して翌決勝日に備えた。
■7/31決勝 3位
浅野武夫:13周   藤原大暉:46周    石森聖生:44周   勝木崇文:24周
7月31日、日曜日の朝のウオームアップはウエットコンディション、決勝レースはいつ雨が降り出すのかもわからない曇り空となった。
今回のレース時間は5時間、義務ピットイン回数は3回だが、前回のレースと同様にST4クラスの給油は容量20Lの指定給油ボトル使用となり、また、1回のピットストップでの最大給油量は60Lまで、1回のピットストップで2本以上入れる場合は、前戦と同様に105秒のピットストップが課せられることとなる。今回の作戦は藤原から、石森、勝木、浅野へと繋いでいくが、給油はボトル3本1回、2本1回、1本1回を想定、タイヤ交換は2回を基本とする事とした。
午前11時03分、気温25℃、路面温度27℃のドライコンディションで5時間の決勝レースは始まった。1周目、藤原はホームストレートで早速60号車インテグラをオーバーテイクすると、884号車国本選手までの間にひしめくST-2クラスのマシンと上手く混走しながらペースを上げてゆく。884号車と藤原は共に2分8秒~11秒での走行となり、3周目には56号車GRヤリスを挟んで2秒差、5周目には4秒差、藤原は884号車に離されまいとハイペースで走行を重ねた。今回はGr1,2混走のレースとなる為に上位クラスの周回遅れとなるタイミングでのロスを最小限にする事が求められるが、藤原はタイムロスも少なく安定して走行を続けた。

19周目、ST-2クラス25号車がハブトラブルによりマシンストップしFCY導入となる。3周によるFCYの後、藤原は2分10秒~12秒台で走行を重ねた。
前を行く884号車はこのFCYのタイミングで20秒程先行、27周目にはST-Zクラス23号車のタイヤ脱落による回収でFCYが導入となるが、29周目には藤原は884号車との差15秒程まで詰める。
しかし33周目辺りから884号車はペースアップ、時折2分9秒台に入れるペースで引き離しにかかった。884号車は44周目にピットインして石川選手に交代、藤原は46周目にピットインして石森に交代すると、タイヤ4本を交換、ボトル給油3本でコース復帰した。しかしピットアウト直後、石森からフロントボンネットが片方浮いていると無線が入る。石森は緊急ピットイン、チームはトラブルから外れてしまったボンネットピンを再固定してマシンをコースへと送り出した。
これによるロスは50秒程、石森はこのレースウイークで初めての走行となったオートポリスを2分9~11秒台で安定して周回を重ねてゆく。石森は46周程を走行予定としていたが、この間884号車は2度ピットインしてボトル1本給油を実施、105秒のピットストップ時間に縛られない作戦を取った。

ハイペースで飛ばす884号車に対し、石森はタイヤの状態が厳しくなりつつもコンスタント周回を重ねる。勝木への交代のタイミングが迫るなか、空模様は徐々に怪しくなり、雨がポツポツと降りはじめた。
ここでチームはドライタイヤのウオームアップを考慮して予定より早めのピットインを決断、44周目に石森はピットインして勝木に交代すると、タイヤ4本を交換、ボトル給油2本でコース復帰した。勝木はすぐにペースをつかむと5周目には2分9秒台を記録、安定した走行を続ける。10周目、ST-Zクラス885号車。
ST-Qクラス28号車のトラブルによりFCY導入となるが、その直前に884号車はピットイン、給油2本タイヤ交換を含むフルサービスを行った。FCYは1周で解除となるが、急に雨足が強くなり、路面は急速にウエットコンディションとなってゆく。勝木は非常に難しいコンディションの中、2分18秒~20秒で周回を重ねた。徐々に雨足が弱まると、勝木は2分14秒~15秒までタイムを上げたが、再度雨足が強まった24周目、これ以上スリックタイヤでの走行は厳しいとチームは判断、勝木はピットインして浅野へと交代しタイヤ4本をウエットタイヤへ交換、ボトル給油1本でコース復帰した。レースは残り約30分、浅野はマシンを巧みに操り2分19秒~20秒台で走行を重ねる。
徐々に雨脚の強まる中10周目、ST-Xクラス号車31号車の100RでのストップによりFCY導入となった。レースは残り約2分でレース再開、そして16時07分、WedsSport GR86はトラブルを乗り越え127周を走り3位でチェッカーを受けた。

【チーム監督コメント】

浅野 真吾

天候に悩まされたレースウィーク。セットアップが変わっていく中でチームとしては色々テスト出来た事はプラスでした。決勝では戦略、ピットワークとミスはなかったと思っていますが、レースの流れを上手く使えなかった所が他車との差にも繋がったと思っています。
ただその中でしっかり3位表彰台に乗れた事は嬉しく思っています。
応援ありがとうございました。

【ドライバーコメント】

浅野武夫

今回で3戦目になる新型GR86ですが、少しずつセットアップの方向性が見えた感じです。
SUGOから天気が安定せず、練習走行でセットアップを決めきれずに手間取っていますが、このレース後、次のもてぎまでには車を見直ししつつ性能アップしていきます。
自分の走りに関しては何か足りないモノが有り、それを早く見つけなければいけないと感じるレースになっています。努力有るのみと思っています。
沢山の人々に支えられて活動出来ている事に感謝しています。これからも応援よろしくお願いいたします。

藤原 大暉

オートポリス戦では天候に左右されることが多く、前回の菅生戦で課題となったウエットコンディション時のセッティングを試すのにとてもいい機会でした。浅野選手を中心にセッティングの方向性を確認し予選に挑みました。
Aドライバー予選ではエンジントラブルのため思うようなアタックが出来ませんでしたが、Bドライバー予選では2番手タイムを出すことが出来ました。決勝はスタートドライバーを担当しました。マシンバランスも良く、常にアタックをしていましたが自分の小さなミスにより、2位の884号車に少しずつ離されてしまう結果になってしまいました。
今回のレースで18号車のポテンシャルはさらに上がったと思います。この調子で次戦のもてぎでは他のGR86に負けないようにドライバーとしてやれることを精一杯やっていきたいと思います。
今回も応援ありがとうございました!

石森 聖生

私自身がオートポリス初走行となり、セクター3の登りセクションの走らせ方に少し苦戦しましたが、攻略しがいがあり楽しかったです。
私のスティントではボンネットピンが開いてしまい再ピットインするロスがありましたが、レース中に大きなマシントラブルが無くチームの方々に感謝いたします。2ndスティントを担当し、予選使用スリックタイヤでコースイン。
合計44LAPしましたがSCやFCYなどが特にない連続周回で、後半タイヤのグリップダウンがかなり激しく、タイヤに厳しいコースという印象を感じました。スティント前半はほぼドライでしたが、後半で雨が増してきたため、3rdスティントの勝木選手のタイヤ選択やピットインのタイミングなども難しく、チームとしてもドライバーとしても判断力が試される難しいレースでした。
次戦はもてぎ!GR86のライバルもまた1台増え、5台の新旧86での面白いレースになると思います!更に速くなって戻ってきます!
いつも応援、サポートしてくださる皆様本当にありがとうございます。チームに関わる全員の気持ちがアツくなるレースができるように頑張りますので、応援宜しくお願いいたします。
勝木 崇文
今回は急遽参戦することとなり、金曜日にチームへ合流しました。15分の走行を2本行いましたが、マシンに合わせ込む事が出来ず、走行後にロガーや車載映像を分析、イメージトレーニングを繰り返し行いました。Dドライバー予選ではウエットコンディションの中、中古のレインタイヤで走行し、決勝も雨模様の予報となっていたことからウエットコンディションでのマシンの挙動や燃費のデータをチームに持ち帰りました。
決勝は2位から約1分遅れの3番手でハンドルを受け持ちました。マシンにはすぐに合わせ込む事ができ、スティント序盤から良いペースで走行できるようになりました。交代直後から降り始めていた雨が強まったこともありトラブル車両が発生しFCYが投入されました。
解除後には更に雨が強まりましたが、スリックタイヤのままフルウェットを走行、スティント終盤まで雨量が常に変化するコンディションでコースアウトする車両が多い中でも飛び出すことなく攻め続けました。ライバルのペースを確認しながら、2位に追いつくために全力を尽くしましたが追いつく事はできませんでした。スティント終盤で更に雨が強まりレインタイヤへ交換の判断に迫られる中で、レース残り時間と路面コンディションからレインタイヤへの交換が最良と判断しピットインし無事にAドライバーにバトンを繋ぎました。
レース結果は3位表彰台で悔しい結果となりましたが、レース中の大きなミスなくコンディションが荒れる中でも良いタイムを記録しながら走行できました。チームの方々にも評価して頂き、自信に繋がるレースとなりました。
今回もたくさんの応援ありがとうございました。

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