浅野レーシングサービス

TOYOTA GR86(ZN8)

スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第6戦 スーパー耐久レースin岡山

◾️開催地:岡山国際サーキット(岡山県)

◾️開催日:2022/10/15-16

10/15予選:3位
Aドライバー浅野武夫:1分45秒550/ Bドライバー 藤原大暉1分44秒014

【フリー走行・予選】2022シーズンも残り2戦、スーパー耐久シリーズの第6戦は岡山国際サーキットにて開催された。前戦のもてぎでWedsSport GR86が思うようなレースペースを得る事が出なかった為、浅野はレース決勝の翌々日にマシンセットアップを変更してもてぎでテストを行い、さらに筑波サーキットでもセットアップを煮詰めて岡山入りした。木曜日の占有走行では、持ち込みのセットアップが良く、回頭性が高くてトラクションも良好なマシンにチームは手ごたえをつかんだ。翌金曜日はタイヤライフと燃費の確認およびセットアップの微調整を行い、一方で決勝レースの戦略を考慮しながら、タイヤや搭載燃料を変更して、さまざまなシチュエーションでのマシンの確認やドライバーの習熟を行った。

迎えた土曜日の予選は気温26度、路面温度40度と10月とは思えないコンディションの中で行われた。Aドライバー予選で浅野はアタック3周目に1分45秒550をマークしたものの、アタック後半はタイヤのタレを感じたため、チームは内圧を調整、Bドライバー予選へ藤原を送り出した。藤原は赤旗の影響でアタックのタイミングを逃したものの、セッション再開後のアタック1周目に1分44秒014をマーク、惜しくも43秒台には入らなかったが、884号車国本選手と0.344秒差のBドライバー予選3位となった。AB合算のグリッド順位は3位ながら、Cドライバー予選では石森がUSEDタイヤで1分45秒~46秒で安定して走行し、チームがマシンの状態に自信を持てる結果となった。その後決勝のレース戦略を検討しつつ、ピットワークの確認やマシンメンテナンスを進め翌日に備えた。

■10/16 決勝 3位
浅野武夫:13周   藤原大暉:31周   石森聖生:48周

今回のレースは3時間、義務ピットイン回数は2回だが、前回のレースと同様に給油は容量20Lの指定給油ボトル使用となり、1回のピットストップでの最大給油量は60Lまで、1回のピットストップで2本以上入れる場合は105秒のピットストップが課せられることとなる。今回は燃費的にギリギリであるものの、ボトル1本給油を2回として105秒のピットストップを使わない作戦を採る事とし、藤原のロングスティントから石森→浅野へと繋ぎ、タイヤ交換は石森へ交代のタイミングで左側2本交換を基本とする事とした。

午前8時33分、気温18℃、路面温度26℃のドライコンディションで3時間の決勝レースは始まった。フォーメーションラップ中、ST-5クラスの1台がバックスストレートエンドでクラッシュした為、事実上のSCスタートとなった。4周のSC走行後、藤原は1分45~46秒台で周回を重ね、9周目には1分44秒975をマーク、そこからしばらく1分45秒フラットで周回を重ね、4秒程先行する884号車に離されまいと懸命に走行を重ねた。しかし、884号車はそれを上回るペースで周回、1分46秒台で周回を重ねる藤原に対し、17周目には9秒、23周目には15秒、28周目には20秒と差をどんどん広げられてしまう。しかし30周目、バックストレートエンドでST-3クラス車両がコースアウトしてグラベルストップ、この車両回収の為FCYが出された。

クラッシュではない為このままFCYでの対応が続くかと思われたが、車両回収に時間がかかった為か、32周目SCへと切り替わる。チームは藤原にマシンの位置を確認、最終セクターのダブルヘアピンにいた藤原へ急遽ピットインを指示した。藤原はそのままピットインして石森へと交代、ボトル給油1本と急遽タイヤ4本を交換してピットアウトした。翌33周目に86号車、34周目に884号車がピットインするが、それを石森が先行、2位86号車と約10秒差のトップへ浮上する。37周目にSCが解除されると、石森は1分45秒台のハイペースで周回するが、やはり86号車山下選手は速く、40周目には約8秒差、43周目には約5秒差とその差は徐々に縮まり、テール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げる。51周目、石森は惜しくも山下選手に抜かれて2位に後退。それでも石森が1分46秒台でコンスタントに周回を重ねるなか、石森に交代した直後から発生していたエンジンの息つきの症状が少しずつ酷くなり、チームは石森にメーター数値の確認や燃料ポンプスイッチのオン/オフを無線で指示するが、症状は改善せず徐々に悪化していった。

タイヤも厳しくなってきた80周目、石森から浅野に交代、ボトル給油1本と左側2本を交換してピットアウトした。この時点で3位884号車との差は約15秒、しかし浅野から「エンジンの息つきがひどい」と無情の無線が入る。884号車との差はみるみるうちに縮まり、83周目には10秒差、85周目には6秒差、87周目には3秒差、そして88周目には1秒差となり、レースも残り5分となった90周目、浅野はバックストレートで884号車に抜かれ3位となった。果たしてゴールできるのか?と危ぶまれる程にエンジンの息つきがどんどん酷くなるマシンを、浅野はエンジン回転数を気にしながら、シフトポイントや乗り方を変えつつ懸命にゴールへと運ぶ。そして11時33分、WedsSport GR86は92周を走り2位884号車と約10秒差の3位でチェッカーを受けた。

【チーム監督コメント】

浅野 真吾

3位を脱出したいと強い思いで挑んだ岡山大会。
予選は3番手。ただ決勝に繋がる走りが出来ました。
セットもまとまり、レース戦略も含め万全の体制で決勝を迎え、
最初のピットでFCYを上手く使いトップに上がれたものの、燃料系のトラブルで順位を落としたのは悔しい思いです。ただその中でギリギリ完走できたのは不幸中の幸いでした。
次戦鈴鹿が最終戦。いい形で終われるよう精一杯頑張ります。
ご声援ありがとうございました!

【ドライバーコメント】

浅野武夫

今回のレースに向け、前戦の反省点を踏まえてセットを変えてもてぎでテスト、筑波で確認走行して車を持ち込みました。 レース前には新興工業様に出向き、社員の皆様に新型GR86を見てもらいました。社員の皆様の車作りに対する興味や熱心に見て質問する姿を頼もしく思いました。
週末は練習走行から感触が良く、順調にセットアップが進みました。予選はいまひとつ乗り切れず自分の想定タイムに届かず残念な結果でした。決勝レースはトラブルを抱えての走行となり、チェッカーまで走らせる事が出来たのが幸いです。トラブルを克服し、鈴鹿に向けベストを尽くします。応援とご支援、ありがとうございます。これからもよろしくお願いたします。

藤原 大暉

持ち込んだセットのバランスが今までで1番良く、とても扱いやすいセッティングでした。感触が良かったため、予選も自信を持ってアタックできましたが、小さなミスの積み重ねによりいつも通りの3番手となってしまいました。
決勝ではスタートドライバーを務め、フルプッシュをしていましたが、前半にフロントタイヤを使いすぎてしまい、後半がかなり苦しくなりました。SCが入り1番いいタイミングでピットに入ることが出来て、一時はトップを走れていましたが、マシントラブルにより3位という結果になってしまいました。とても悔しい結果ですが、今大会で18号車は更に速くなったと実感できた大会でした。次戦が最終戦となりますが今年の集大成を見せられるようにドライバーとしてやれることをしっかりやりたいと思います。今大会も応援ありがとうございました!

石森 聖生

持ち込みセットからUSEDタイヤでもフィーリングが良く、今シーズン1番のマシンバランスで挑んだ岡山でした。今回も2ndスティントを担当し、SCでのピットインのタイミングが良くしばらくトップを走行していましたが、途中から高回転域でエンジンが吹けないトラブルが発生。
チームと無線でやりとりして問題点を探すも、解決策に至らず不安の残るまま走行を続けました。そしてバックミラーに迫り来る山下健太選手の86号車と1コーナーからテールトウノーズが続き、そのままアトウッドまで攻防が続くも立ち上がりでまたエンジンが吹けず、ヘアピンでのブレーキング勝負。お互い一歩も引かないブレーキ勝負から横並びのままヘアピンを立ち上がるも、リボルバーでイン側を取られ抜かれてしまいました。その後タイヤの熱ダレとマシントラブルと付き合いながらも、後ろの884号車に近づかれないよう無線でタイムを確認しながら約90分を走り切りました。クールスーツもドリンクも無かったため最後の方は熱中症で身体的にも非常に辛く、無線で話すのすら大変な状況でしたが無事浅野選手にバトンを繋げられて良かったです。しかし、結果は惜しくも3位。運転時間が長かったので自分が884号車とのマージンをもう少し稼げていれば…トラブルがなければ…初の2位に入り込める希望の見えたレースだったので今シーズン1番の悔しさと、責任を感じています。
S耐デビューシーズンの2022年もついに最終戦の鈴鹿のみ。沢山の方々のご支援あってのS耐参戦。
サポートしてくださっている皆様に良い結果を届けたい。来年につながる結果を残したい。絶対に勝ちたいです。
限られた時間と資源の中でWedsSport GR86は確実に速くなってきています。最終戦を良いレースで締め括れるよう、全力全開で挑みますのでまた応援宜しくお願いいたします。ありがとうございました。

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