今回のレースは 5 時間、義務ピットイン回数は 3 回、給油は容量 20L の指定給油ボトル使用となり 1 回のピットストップでの最大給油量は 3 本60L まで、1 回のピットストップで 2 本以上入れる場合は 100 秒のピットストップが課せられることとなる。また、今年から A ドライバーの最低運転時間がレース時間の 25％以上となった為、浅野は 75 分以上の走行が必要となった。今回のチームの基本戦略はボトル 3 本給油を 2 回、1 本を 1 回として 100 秒のピットストップを 2 回使用するも、FCY が出そうなタイミングや SC のタイミングでピットストップをこなす作戦を採る事とした。午前 11 時 50 分、気温 16℃のドライコンディションで 5 時間の決勝レースは始まった。スタートドライバーの伊藤は 8 位でスタートすると、1 周目に 884 号車が A ドライバーハンディキャップ消化の為ピットイン、4 周目には先行する 86 号車と 216 号車 86 をオーバーテイクして 5位、6 周目には 66 号車ロードスターRF をオーバーテイクして 4 位へと順調に順位を上げていく。先行するのは 60 号車 GR86、伊藤は 13 周目には2 分 26 秒台のベストタイムをマークすると、1 周 1 秒程その差をジリジリと詰めていった。17 周目にはその差 1.3 秒、22 周目にはその差 0.3 秒となるが、他クラスとの混走のなかでオーバーテイクするまでにはいたらない。25 周目、216 号車 86 がシケイン手前でコースアウト、FCY 導入となる。28 周目、SC へと切り替わると 29 周目には隊列がほぼ整ったため伊藤はピットイン、浅野へと交代しボトル給油 3 本とタイヤ 4 本を交換してピットアウトした。浅野は 3 位でコース復帰すると 3 周の SC 走行の後、タイヤに熱をいれながらペースアップしていく。ピットインのタイミングで背後に下がった 41 号車を抑えつつ浅野は走行を重ねるが、35 周目にオーバーテイクされ 4 位へポジションダウン、浅野は 2 分 27～29 秒台で安定して走行を重ねた。浅野は 30 周を走り切りピットイン、澤井へ交代しボトル給油 1 本でピットアウトした。ここでエンジンをかけるのが遅れてしまうトラブルがあったものの、澤井は 5 位でコース復帰すると、初のS耐決勝レースの混沌さに多少翻弄されつつも、マシンを必死に走らせていく。74 周目、3 号車 86 がマシントラブルでガレージインした為、澤井は 4 位へポジションアップすると、77 周目、ST-1 クラスの車両がマシントラブルでコース脇にストッ プ、チームはコースアウトした車両をモニターで確認し FCY、SC 導入の可能性が高いと判断、78 周目に澤 井はピットインすると再び伊藤へと交代し、ボトル給油 3 本とタイヤ 4 本を交換してピットアウトした。 伊藤は 4 位でコース復帰すると、FCY 走行から 2 周の SC 走行後、2 分 27～28 秒台で周回を重ねてゆく。この時点でまだ義務ピットインを消化していないのは 60 号車のみで、これを消化すると 60 号車は伊藤の 30～40 秒前へ復帰すると見込まれた。伊藤は 88 周目には 2 分 26 秒台をマークしハイペースで周回を重ね てゆくが、90 周目、シケインで ST-5 クラス同士の接触から激しいクラッシュが発生、レースは赤旗中断となった。この時点でレースは残り 45 分、コースではマーシャルによりレース再開に向けた復旧作業が行われていたが、コース復旧不能と判断されてレースはこのまま終了となり、WedsSport GR86 は 90 周を走りきり 4 位完走となった。